「SMA(単純移動平均線)とEMA(指数移動平均線)どちらを使うべき??」と疑問に思っている方へ。
SMAとEMAの違いやどちらを使うべきかについて、FX歴10年以上の専業トレーダーがお伝えします!!
またよく機能する移動平均線の期間設定やFX手法についても、あわせて解説しましょう。
- 動画での解説はこちら
- 移動平均線とは
- 知ったかぶりになりがち
- 移動平均線は3種類
- 単純移動平均線(SMA)
- 指数移動平均線(EMA)
- SMAとEMAどっちが良いか
- 期間設定はどうすべきか
- 何で移動平均線を使うのか
- 複数の移動平均線を組み合わせる
- 移動平均線の手法
- 僕の移動平均線を使った手法
- まとめ
- FXでよく読まれている記事
動画での解説はこちら
移動平均線とは
移動平均線とは、一定期間の価格の平均値をつなぎ合わせて線にしたものです!!
たとえば、5期間の移動平均線であれば・・・
過去5本のローソク足の終値を合計し、それを5で割った数字を線でつなぎます。
この期間を短くするほど、値動きに敏感に反応するようになり・・・
逆に長くすれば、目先の動きにとらわれないゆったりとした線になるのです。
この「移動平均線」は、最も有効なテクニカル指標の1つです。
そのため、昔から多くのFXトレーダーに使われています。
あまりインジケーターを使わない僕でさえ、「移動平均線」は常時チャートに表示させていますよ!!
知ったかぶりになりがち
移動平均線は、トレード本やFXサイトなどに必ず載っています。
したがってFXトレードをしている人は、みんなその存在を知っているでしょう。
しかしだからこそ、おざなりになってしまいがちです!!
「今さら、移動平均線なんて勉強してどうするの??」
「移動平均線なんて、ありきたりすぎてもう見飽きた」
そんな風に考えては、それを深く掘り下げようとしない人が多くいます。
しかし移動平均線は、それ単体でも十分に使えるほど効果の高いインジケーターです!!
ここではそんな移動平均線の基礎から応用までを、徹底的に書いていきましょう。
移動平均線は3種類
移動平均線は、以下3つの種類があります!!
・単純移動平均線(SMA)
・指数移動平均線(EMA)
・加重移動平均戦(WMA)
その中でもFXトレーダーに良く使われているのは、SMAとEMAの2つです!!
なのでその2つについて、くわしく解説していきます。
単純移動平均線(SMA)
一番シンプルで、最もよく使われている移動平均線です。
Simple Moving Averageの頭文字を取って、「SMA」とも表記されます。
5期間SMAであれば、過去5本の終値を合計し5で割った数字を線でつないだものです。
5本を等しく平均するので、上の図のように過去と現在の終値は同じように扱われます。
形成される線はなめらかで、とても分かりやすいです。
しかし直近の値動きに対する反応はにぶく、初動は遅れがちになります。
【メリット】
トレンドの方向性が分かりやすい
【デメリット】
トレンドの転換点を察知しにくい
指数移動平均線(EMA)
指数移動平均線は、SMAより直近の値動きを重視する移動平均線です。
Exponential Moving Averageの頭文字を取って、「EMA」とも表記されます。
5期間EMAであれば、5本前の終値より1本前の終値に比重を置いて平均を出すのです。
計算式は複雑なので書きませんが、上の図をイメージしてもらうと良いでしょう。
直近の値動きに対する反応が早く、しっかりと値動きについていきます。
しかしその分だけブレが激しくなり、ダマシも発生しやすいです。
【メリット】
トレンドの転換点が分かりやすい
【デメリット】
トレンドの方向性を察知しにくい
SMAとEMAどっちが良いか
ではSMAとEMAは、どちらを使っていけば良いのでしょうか??
僕は基本として、SMAをおすすめします!!
なぜなら、より多くの人が使っているからです。
値動きというものは、究極的には市場参加者が作っています。
そしてその市場参加者たちの多くは、SMAを見ているのです。
とすると、やはり自分もSMAを見るのが一番良いでしょう。
ただしこれは、自分の手法にもよります!!
たとえば値動きの勢いを重視した手法であったり、相場の転換点をいち早くとらえるような手法の場合・・・
EMAの方がより早くシグナルを出してくれるので、そちらの方を使うべきです。
期間設定はどうすべきか
期間設定の数字は、「みんなが見ているもの」にすべきです!!
なぜなら上で述べたように、多くの人が注目しているラインほどよく機能するから。
そう考えると、期間設定は「5」や「21」などが人気ですね。
1週間の営業日が5日、1か月の営業日がおよそ21日というところから、この2つの数字はきています。
実際に移動平均線で最初に設定されている(デフォルトの)数字は、これらが多いですよね??
その他にも移動平均線の期間設定には、色々な考え方があります。
たとえばJ・ウェルズ・ワイルダーは、「7・14・21」など7の倍数が相場の転換点をとらえやすいことを発見しました。
また一目山人は2000人のスタッフと7年かけて、「9・17・26」という3つの基本数値を導き出したのです。
さらにレオナルド・フィボナッチが見つけた、自然界に数多く存在する数列「8・13・21」などを使っている人もいます。
ちなみに、僕は「21・55・89」というフィボナッチ数列を採用していますよ!!
参考:移動平均線の期間設定など!FXでのフィボナッチの使い方3つ
何で移動平均線を使うのか
まず移動平均線は、「トレンド」をつかむために使います!!
今の値動きは上向きか下向きか、それとも横ばいなのか・・・
移動平均線の傾きを見ることで、それを知ることができるのです。
ダウ理論を使ったチャート分析では、見る人によって意見が割れますが・・・
参考:FXのトレンドフォロー手法とは?順張りの勝率を2倍にする方法
移動平均線は数値で現れるため、誰が見ても同じ結論になります。
そのため移動平均線を使うと、トレンドの把握がより簡単になるのです。
参考:これが最も簡単!FXトレンド転換の判断に使えるインジケーター
また移動平均線は、「相場の勢い」も知ることができます!!
今の相場の勢いは強いのか弱いのか、移動平均線と価格の位置関係から読み解けます。
相場に勢いがあると、価格は移動平均線から大きく離れていきますし・・・
勢いがないときは、移動平均線とからまり合うのです。
この「トレンド」と「相場の勢い」を掛け合わせると、今の相場状態がよく分かるようになります!!
・移動平均線の傾きが下向きで、価格が移動平均線から大きく離れて下にある
→ トレンドは下落方向で、しかもその勢いは強い
・移動平均線の傾きが横ばいで、しかも価格が移動平均線と絡まり合っている
→ トレンドはなく、値動きの乏しいレンジの状態
複数の移動平均線を組み合わせる
移動平均線は、「1本しか表示させてはいけない」というルールはありません。
むしろ複数本を表示させた方が、より正確に相場を把握することができます!!
たとえば、21期間移動平均線のみを表示させていたとします。
ずっと価格は上がり調子で来ていたのですが・・・
あるとき価格は移動平均線を下抜け、移動平均線の傾きも下向きになりました。
「おっ、トレンド転換が起こったか??」
あなたはここから価格は下がっていくと予想して、売りエントリーします。
しかしその後、価格は再び上昇して損切りとなってしまいました。
このように短期の移動平均線のみだと、ダマシが多発します。
これを防ぐには、長期の移動平均線を加えてみるのが良いでしょう!!
さきほどのチャートに89期間移動平均線を加えると、下のようになります。
長期の移動平均線はまだ上向きで、トレンドは変わっていないことを示されました。
したがって、まだ売りエントリーすべきではないことが分かるのです。
また複数の移動平均線を組み合わせるのは、ダマシを防ぐためだけではありません!!
これを用いることで、より有利なエントリーを行うことが可能です。
先ほどのチャートで再び価格が上がってきて、21期間移動平均線を上抜けてきたとき・・・
これは絶好の買いシグナルと、見ることができます!!
なぜなら長期の移動平均線は上向きで、上昇トレンドを示しているからです。
「短期移動平均線の上抜け」+「長期移動平均線のトレンド」というダブルの根拠で、利食いの確率は高くなります。
移動平均線の手法
移動平均線で有名な手法は、「ゴールデンクロス」と「デッドクロス」です!!
FXトレードの中で最も基本的な手法であり、みんな知っているでしょう。
「ゴールデンクロス」とは、短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上に抜けることを言います。
これによって、トレンドが上方向に転換したと考えられます。
したがって、これは買いシグナルとなるのです。
逆に「デッドクロス」とは、短期の移動平均線が長期の移動平均線を上から下に抜けることを言います。
これによって、トレンドが下方向に転換したと考えられます。
したがって、これは売りシグナルとなるのです。
しかしこの手法、このままだとあまり使い物になりません。
なぜなら、以下2つの大きな欠点があるからです。
1. レンジ相場に弱い
2. ダマシが多い
では、どうしたら良いのでしょうか??
これまでここで学んできたことを総動員させて、これを解決してみましょう!!
僕の移動平均線を使った手法
最後にゴールデンクロスとデッドクロスを使用した、僕の手法を紹介します!!
まず短期・中期・長期として、3本の移動平均線を表示させます。
期間はそれぞれ、21・55・89です。
移動平均線が平行になり、価格とからみ合っている状態のときはサインを無視します。
上で説明した通り、移動平均線と価格がからみあうときはレンジです。
したがってこのときは、エントリーを意図的に避けましょう。
そして移動平均線が短期→中期→長期の順に並んで、傾きが出てきたら勝負です!!
短期と中期の移動平均線のクロスを、見ていくのですが・・・
そのとき、長期の移動平均線の傾き方向にのみエントリーしましょう。
上のチャートの例では、長期の移動平均線は上方向に傾いています。
したがってデッドクロスは無視し、ゴールデンクロスのみエントリーするのです。
こうすることで、極力ダマシを回避することができます。
これらのことを実行すれば、ゴールデンクロス・デッドクロスでも勝率の高いFXトレードができますよ!!
まとめ
移動平均線は、FXトレードにおいて最も有効なインジケーターの1つです。
移動平均線を使うことで、相場のトレンドや勢いが簡単に分かります。
移動平均線を最大限活用するために、以下のことを心がけましょう。
・期間設定はみんなが使っている数字を使う
・数ある種類の中でも「SMA」が基本
・複数表示させることでより分析が正確になる
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