「FXトレードで板情報は見れないの??」と、疑問に思っている方へ。
為替取引で板情報を見る方法を、FX歴10年以上の専業トレーダーがお伝えします!!
また板情報の見方についても、あわせてお伝えしましょう。
板情報(気配値)とは
株式や先物の取引では、「板情報」というものを見ることができます。
板情報とは、どの価格帯にどれだけの注文が入っているかを示すものです!!
上の画像ように、数字の並びで表されます。
これを見ると、現在の価格は真ん中の302円です。
そして302円の上下の価格にそれぞれ、数字が付いています。
赤い数字が買い注文の数で、青い数字が売り注文の数です。
上の板情報で、右の「買気配」というところを見ると・・・
299円のところに、買い注文がたくさん入っているのが確認できますね。
したがってこの株は、299円ぐらいで買い支えられ・・・
そこから下には、価格が行きづらいことが分かります!!
また、左の「売気配」というところを見ると・・・
304円のところに、売り注文がたくさん入っているのが分かるでしょう。
したがってこの株は、304円まで行くと売り浴びせられ・・・
ここより上には、価格が行きづらいことが予想できるのです!!
このように注文がたまっているところを見れば、どこで価格が止まって反転するかを知れます。
したがってこういった価格帯に近づいたら、逆張りをしたり利食いを入れるなどの戦術が取れるのです!!
たとえば、今の状況がアップトレンドなら・・・
299円まで下がってきたら買いを入れ、304円に近づいたら決済するという作戦が考えられるでしょう。
もしくは、値があまり動かない時間帯であれば・・・
299~304円のレンジになると予測し、このレンジ内で逆張りのスキャルピングをするといった作戦もアリです。
これら以外にも、板情報を使った戦術というのは無数に存在します。
これだけで1冊の本が書けるぐらい、板読みの技術は奥が深いのです!!
株式トレーダーの中には、この板情報だけを頼りに取引する人なんかもいます。
それだけ貴重な情報が、板にはたくさんつまっているんですね~
FXで板情報が見れない理由
しかし残念ながら、FXトレードには板情報というものが基本的にありません。
なぜなら為替取引の大部分は市場外で行われており、正確な注文データが取れないから!!
為替取引は、市場で直接取引されること(市場取引)より・・・
市場の外で取引されること(相対取引)の方が、圧倒的に多いです。
日本国内のFX取引で例を挙げれば、以下の通りですね。
市場取引:くりっく365
相対取引:店頭FX
おそらく「くりっく365」より、「店頭FX」を使っている人の方が多いでしょう。
市場の外で取引される分については、正確な注文データが取れません。
したがって為替取引の大部分の注文状況は分からず、為替市場においては板情報を見ることが難しいのです!!
FXで板情報を見る方法
しかし、それでも「板情報を見てFXトレードしたい」と言う方へ。
以下3つのFX会社なら、為替の板情報を見ることができますよ!!
ではそれぞれについて、以下でくわしく説明しましょう。
外為どっとコム
参考:外為どっとコム
外為どっとコムには、「外為注文情報」というものがあります!!
これを見れば、どの価格帯にどれだけの注文が入っているのか確認できるのです。
これは、以下の手順で見ることができますよ。
1. 外為どっとコムにログイン
2.「マーケット情報」をクリック
3.「外為情報ナビ」をクリック
4.「取引データ」をクリック
色の付いているブロックが、指値注文を表しています。
そして色の付いていないブロックは、逆指値注文です。
この情報は、10分おきに更新されます。
参考:外為どっとコム
1ブロックあたりの通貨量は、通貨ペアやそのときの注文量によって異なります。
ドル円だと、1ブロック100万通貨(1,000ロット)の場合が多いです。
そして枠内に収まらないほど注文がたまっている価格帯は、ピンク色で表示されます。
参考:外為どっとコム
外為どっとコムは皆さんご存知、口座数・預かり資産ともにトップレベルの老舗FX会社です。
そして多くの国内FXトレーダーが、このFX会社を利用して取引しています。
したがってこの「外為注文情報」は、日本のFXトレーダーの取引状況を見るのに最適です!!
世界の金融業界には、「ミセスワタナベ」という言葉があるように・・・
日本のFXトレーダー動向は、外為市場に大きな影響を与えます。
参考:世界のFXの57%占める日本の投資家が市場活性化妨げる懸念も
特にクロス円では、日本のFXトレーダーの動きが相場を動かすこともしばしば!!
なのでクロス円を取引される方は、この「外為注文状況」を見られるようにしておきたいです。
外為どっとコムに口座開設すれば、無料でいつでも利用することができますよ。
実際にこの機能は、多くのFXトレーダーが活用しています!!
ドル円個人オーダー状況
— 森野福来郎 (@senyuyarizaemon) 2016年12月7日
114.00より上に売り指値がビッシリ!
113.85にロングのストップが目立つ! pic.twitter.com/dP4VvOuE39
アメブロを更新しました。『FX市場オーダー状況 2016年11月26日現在』…続きを読む→https://t.co/GvUMrYLZ6i #FX市場オーダー #ドル円 #ユーロ円 #為替市場 #株式市場 #トランプラリー pic.twitter.com/Uika2yFEcy
— タッチの投資戦略 (@dad_japan) 2016年11月27日
現在、FOMC中、これからイエレン来ます。しかし、このオーダー状況・・どうなん? pic.twitter.com/PZG2RFOBtv
— M.A.A @358 (@Masa1281) 2017年3月15日
「外為注文状況」の詳細については、公式サイトをご確認ください。
オアンダ・ジャパン
参考:オアンダ・ジャパン
オアンダ・ジャパンには、「オーダーブック」という情報があります!!
ここでも同じように、FXの板情報を見ることができるのです。
これは、以下の手順で見ることができますよ。
1. オアンダ・ジャパンにログイン
2.「市場分析」をクリック
3.「オーダーブック詳細ページへ」をクリック
見方としては、上の外為どっとコムとほぼ同じです。
上の画像でいうところの、左側のグラフ(Open Orders)を見ましょう。
オレンジ色の棒が、指値注文を表しています。
そして青色の棒は、逆指値注文です。
この情報は、5分おきに更新されます。
参考:オアンダ・ジャパン
ただしオアンダ・ジャパンの場合、外為どっとコムにはないものも見れます。
それは、「未決済のポジション状況」です!!
2つ上の画像でいうところの、右側のグラフ(Open Positions)ですね。
オレンジ色が、含み益のポジションを表しています。
そして青色は、含み損を抱えているポジションです。
これも、5分ごとの更新となっています。
参考:オアンダ・ジャパン
オアンダ・ジャパンの親会社である「OANDA」は、アメリカの為替ブローカーです。
ネットで為替レートの無料提供を初めて行った会社であり、世界中のFXトレーダーに利用されています。
したがってこの「オープンブック」では、海外トレーダーの動向を知ることができるのです!!
したがって外為どっとコムとあわせれば、国内外のFXトレーダーの動向を幅広く把握することできます!!
クロス円以外の通貨ペアをよく取引する人は、見ておいた方が良いでしょう。
オアンダ・ジャパンに口座開設すれば、無料でいつでも利用することができますよ。
この「オープンブック」も、多くのFXトレーダーが利用しています!!
ドル円、オーダー状況から見て売り指値の方が買い指値よりも多い。しかも上に大量のロングが含み損を抱えてることから、来週は上値が重い展開になる可能性が高い。 pic.twitter.com/78eNUY5ufF
— 森野福来郎 (@senyuyarizaemon) 2016年12月24日
ドル円オーダー状況こんな感じ pic.twitter.com/3DU4kiNOVm
— N².co.jp (@natsu2n) 2016年12月23日
ポンドドル、ポジション&オーダー状況。なんだこりゃ、そりゃ下がんないよ。上にストップもある😑 pic.twitter.com/Y7uR9XKgZw
— マー君 (@masayuki3g) 2018年3月1日
「オープンブック」の詳細については、公式サイトでご確認ください。
デューカスコピー・ジャパン
デューカスコピー・ジャパンには、「マーケットデプス」という情報があります!!
ここでも同じように、FXの板情報を見ることができるのです。
外為どっとコムやオアンダ・ジャパンとは違い、数字で表されますね。
株式取引などで見る板により、近い形となっています。
これは、以下の手順で見ることができますよ。
1. デューカスコピー・ジャパンにログイン
2. 取引プラットフォーム「JForex」を開く
3. 新規注文パネルを開く
一番下には、注文の合計数量と平均価格が載っています。
ちなみに「M」はmega(メガ)で、100万の単位です。
つまりこれを読み解くと、以下の通り。
・売りには、計1億8千万通貨の注文が入っている
・それらの注文価格の平均は1.23679
・買いには、計2億2千万通貨の注文が入っている
・それらの注文価格の平均は1,23701
またその上には、直近のレートに近い価格が5つまで表示されています。
そしてそれぞれに、いくら注文が入っているかを見ることができるのです。
デューカスコピー・ジャパンの親会社である「DUKASCOPY BANK」は、スイスの銀行です。
ここが提供するシステムには、「ゴールドマンサックス」や「JPモルガン」などといった世界の金融機関が参加しています。
したがってこの「マーケットデプス」では、世界中の機関投資家の動向を知ることが可能です!!
したがって、外為どっとコムやオアンダ・ジャパンの情報と合わせれば・・・
国内外のFXトレーダーの動向のみならず、機関投資家の動きも読むことができます。
機関投資家のポジションは大きく、彼らがトレンドを作っていく局面は多いです。
参考:FXのリアルタイムオーダーとは?オーダー状況の調べ方や見方
なので「マーケットデプス」は、有効な情報を提示してくれるでしょう。
このFX会社は日本に上陸したばかりなので、まだ使っている方は少ないですが・・・
日本のFX会社にはない機能もあったりで、だんだんと認知が広がっているようです。
最近デューカスコピーから電話もらって聞いたけどデューカスで示されてる板はカバー先含めての注文状況だった。
— ター坊@ダブルバニーボーイ🐰🐇 (@amploud007) 2017年8月18日
外為全体ではないけど、カバー先めちゃめちゃあるし大きいとこだいぶ押さえてるから外為全体の半分以上は見えてる気がする。
もうちょい調べてみたい(`・ω・´)
デューカスコピーは取引手数料(FX会社の利益)が外付けなので確定申告時に費用として所得から差し引けます
— 高城泰 (@takagifx) 2016年10月2日
日本のFX会社の大半は手数料がスプレッドに内包されており費用計上できない
取引量の大きな人はdukasだと節税メリットを出せるかも--そんな話をひろぴーさんが書いています https://t.co/Fy3T8H09gu
デューカスコピーとかいう証券会社、
— ドル円デモトレ野郎 (@fxdemotore) 2017年5月2日
10秒足とかいう最高のおもちゃあるんでデモ口座作っといて損ないと思うよ
「マーケットデプス」の詳細については、公式サイトをご確認ください。
板読みの見方
ではこれらの板情報を、実際にどうやって活用すれば良いのでしょうか??
代表的な使い方は、以下の3つです!!
・反転する場所を探す
・相場の流れを読む
・価格がどこを目指すか知る
ではそれぞれについて、以下でくわしく説明しましょう。
反転する場所を探す
これが、一番オーソドックスな使い方です。
上で説明したように、板情報によって反転しそうな価格帯を調べます!!
たとえば、ドル円が以下のような状況にあったとしましょう。
参考:外為どっとコム
これを見ると、118.50円に大量の青ブロックがあります。
つまり現在の118.50まで上がると売りが殺到し、そこから反転して下に落ちる可能性が高いのです!!
なのでアップトレンドで買い攻めているなら、118.50までいったところでいったん利食いを入れたり・・・
逆にダウントレンドで売り攻めているなら、118.50まで戻ってきたところで追加ポジションを取るなんてことができます。
これは図にすると、とても分かりやすいですよ!!
ブロックの多いところでは、見事にはね返されていることが分かるでしょう。
参考:外為どっとコム
相場の流れを読む
板情報は、反転する場所を探せるだけではありません。
「ここから上がりそう(下がりそう)」といった、相場観もつかむことができます!!
たとえば、ドル円が以下のような状況にあったとしましょう。
参考:外為どっとコム
これを見ると、オレンジより青のブロックの方が圧倒的に多いと気づきます。
したがって今は売りの勢力の方が強く、相場は下落基調にあることが分かるのです!!
こんなときに買いで攻めていったら、分が悪いでしょう。
逆に売りで攻めていけば相場の流れを味方につけ、利食いとなる確率が高まるはずです。
これも図にすると、とても分かりやすいですよ!!
オレンジより青のブロックが多いので、価格はドンドン落ちているのが分かります。
参考:外為どっとコム
価格がどこを目指すか知る
これはちょっと、マニアックな使い方ですが・・・
逆指値注文を見ることで、価格がどこを目指して動くのかを予測できます!!
たとえば、ドル円が以下のような状況にあったとしましょう。
参考:外為どっとコム
これを見ると、171.40円に大量の逆指値注文が入っているのが分かります。
これは「ここで損切りをする人たちがいる」ということを表しており、市場はそこを狙って動く可能性が高いです。
なぜなら損切りを巻き込むことができれば、市場を大きく動かすことができるから!!
したがって多くのプロトレーダーたちが、この価格を狙って市場を動かしてきます。
外為市場はゼロサムゲームです。
誰かが損失を出すことで、他の誰かが利益を得ることができます。
つまり自分が利益を得ようと思ったら、他の誰かに損切りさせるのが一番手っ取り早い方法なのです!!
実際に為替市場では、この「損切りを狙う」という方法だけでゴハンを食べているプロが大勢います。
この板情報を使うことで、狩られる側から狩る側へと移動することができるのです!!
これも図にすると、とても分かりやすいですよ!!
109.50円の売りストップがたまっているところをめがけ、一気に落ちているのが分かります。
参考:外為どっとコム
まとめ
板情報(オーダー状況)はそれ単体で手法となり得るほど、貴重な情報を僕らに示してくれます。
しかしFXトレードでは基本的に、板情報を見ることはできません。
ただし外為どっとコム・オアンダ・ジャパン・デューカスコピー・ジャパンでは、特別に板情報を確認できますよ!!
P.S.
外為どっとコムは板情報の他にも、様々な情報を提供してくれるのでおすすめです。
参考:FXファンダメンタル情報はどこ?ニュースを見るおすすめの方法
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