「FXトレードで出来高は見れないの??」と、疑問に思っている方へ。
為替の取引量を調べる方法を、FX歴10年以上の専業トレーダーがお伝えします!!
またボリュームオシレーターの代わりに使えるツールも、あわせて説明しましょう。
- 動画での解説はこちら
- 出来高とは
- 出来高の見方
- FXで出来高が見れない理由
- FXで出来高を見る方法
- CMEの数字が一番使える
- 出来高は時間帯でも違う
- FXで出来高は役立つか
- 板情報を使うべき
- まとめ
- FXでよく読まれている記事
動画での解説はこちら
出来高とは
出来高とは、一言でいうと「取引量」のことです!!
相場の取引で、どれだけ多くの売り買いが成立したのかを表します。
株式トレードではよく、相場の分析でこの出来高を使いますよ!!
例として、日経平均株価の月足チャートを見てみましょう。
下の方に棒グラフで示してあるのが、出来高ですね。
出来高の見方
この出来高を見ることで、今後の相場の動きを予想できます!!
たとえばずっと株価が低くて、注目されていない銘柄があるとしましょう。
その銘柄が急に出来高を伸ばして、上昇してきた場合・・・
何か大きな買い材料が発生し、多くの人が買いに来た可能性があります。
すると「さらに株価は上がるのではないか??」と、予想できるのです。
アベノミクスが始まった直後の日経平均なんか、まさにその形でしたね~
また株式トレードでは、出来高を利用したインジケーターもたくさんあります。
出来高移動平均線・ボリュームレシオ・逆ウォッチ曲線などなど・・・
株取引において、出来高の情報は欠かせないものなのです!!
FXで出来高が見れない理由
しかしFXトレードでは通常、出来高というものを使いません。
なぜなら、外国為替市場の出来高は正確に把握できないから!!
為替取引は、市場で直接取引されること(市場取引)よりも・・・
市場の外で取引されること(相対取引)の方が、圧倒的に多いです。
日本国内のFX取引で例を挙げれば、以下の通りですね。
市場取引:くりっく365
相対取引:店頭FX
おそらく「くりっく365」より「店頭FX」を使っている人の方が、圧倒的に多いのではないでしょうか??
市場の外で取引される分については、出来高のデータが取れません。
したがって為替取引の大部分の出来高は分からず、為替市場では正確な出来高を知ることが難しいのです!!
FXで出来高を見る方法
では為替の出来高を見ることは、あきらめるしかないのでしょうか??
実はFXトレードで、出来高を調べる方法がいくつか存在します!!
僕が知っている限り、それは以下4つです。
・店頭FX月次速報
・TFXヒストリカルデータベース
・外国為替市況
・CME
ではそれぞれについて、以下でくわしく説明しましょう。
店頭FX月次速報
金融先物取引業協会の店頭FX月次速報では、日本国内50社以上の店頭FXにおける出来高を確認できます!!
また売りや買いのポジション数量や、通貨ペア別の取引金額なども調べることが可能です。
さらに月次概況では、月毎の出来高や前月比の増減や未決済ポジション残高なども確認できます。
TFXヒストリカルデータベース
東京金融取引所のTFXヒストリカルデータベースでは、くりっく365における出来高を確認できます!!
出来高を確認したい通貨ペアにチェックし期間を選択すると、該当の出来高を調べることが可能です。
また上の画像のように、出来高データをエクセル形式でダウンロードすることも可能です。
外国為替市況
参考:外国為替市況|日本銀行
日銀の外国為替市況では、東京外為市場における出来高を確認できます!!
日次と年次の2種類があり、日次では前日のドル円、ユーロドル、ユーロ円の出来高を調べることが可能です。
この出来高は、店頭FXの出来高(ブローカー経由取引分)を示しています。
CME
参考:Japanese Yen (JPY/USD) - CME Group
CMEのホームページでは、為替先物市場における出来高を確認できます!!
CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)は、世界最大の先物・デリバティブ市場を提供している取引所です。
米ドル円・ユーロ円・ユーロ米ドルなど、主要通貨ペアの出来高を月単位で調べられます。
CMEの数字が一番使える
この4つの中で、一番使えるのは「CME」です!!
世界の為替先物の出来高が確認でき、国内取引のものとはデータ量のケタが違います。
また「店頭FX月次速報」なんかは月1の発表なので、短期的な分析を行うことはできませんが・・・
「CME」については1日ごとにデータを出しているので、よりタイムリーな出来高を見られるのです。
さらに「CME」は、直近1か月の出来高推移をエクセルで無料ダウンロードできます。
日々のデータをパソコンに記録させ、色々と分析するということもできるのです。
出来高は時間帯でも違う
FXの出来高は、時間帯によっても変わってきます!!
通貨(為替)は常に、世界のどこかで取引されています。
したがって平日なら、24時間いつでもFXトレードをすることが可能です。
具体的には、下の世界地図とグラフを見てください。
これは、世界各地の為替市場のオープン時間を表したものです。
オレンジのグラフがカブるところでは市場が重なって、取引量が多くなります。
したがってその時間帯は出来高が高くなり、値動きがとても活発になるのです。
特に世界3大市場と言われる以下の時間帯は、その傾向が大きく表れます!!
・東京市場(9~15時)
・ロンドン市場(17~3時)
・ニューヨーク市場(23~7時)
これらの時間帯の特徴について、くわしくは下の記事を読んでください。
参考:FXでトレンドが出る取引時間は?トレードにおすすめの時間帯3つ
FXで出来高は役立つか
では実際、出来高の分析はFXトレードに役立つのかと言うと・・・
おそらく、微妙です。笑
以前に紹介した「生き残りのディーリング」という本の著者である矢口新さんは、以下のように述べています。
参考:FXデイトレードのおすすめ本12選!100冊以上の書籍から厳選した
私は過去十数年分のデータをエクセルに取って、出来高と為替レートの関係を見続けているが、これまでのところ株価のような関連性は確認できていない。
これってやっぱり、FXトレードは市場外の取引が多くて正確な出来高は分からないからでしょう。
もし出来高と為替レートとの間に優位性のある法則を見つけることができたら、ぜひ僕に教えてください!!笑
板情報を使うべき
出来高とは似たような概念で、「板情報」というものがあります。
FXトレードに生かすのであれば、この板情報を使った方が良いですね!!
板情報とは、どの価格帯にどれだけの注文が入っているのかを示すものです。
下図のように、注文量がグラフで視覚的に表されます。
これを見ることで、相場の流れや反転するポイントを知ることができますよ!!
くわしくは、下の記事を参考にしてください。
参考:FXに板情報はある?為替の注文状況(気配値)を見る方法3つとは
まとめ
出来高とは「取引量」のことで、どれだけ多くの売り買いが成立したのかを表します。
外国為替市場では正確な取引量を把握できないため、FXトレードではふつう出来高を見ることはできません。
しかし上記で紹介した方法を使えば出来高を把握することができ、チャートに出来高を表示させることも可能です。
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