「FXトレードで損切りラインをどこに置くべきか、目安が分からない」という方へ!!
今日は失敗しない損切り幅の決め方について、FX歴10年以上の専業トレーダーがお伝えします。
損切りとは
損切りとは、含み損が生じているポジションを見切って損失を確定させることです!!
まだ損が少ない時点で決済することで、それ以上に損が大きくなるのを防ぎます。
「ロスカット」や、「ストップロス」とも呼ばれますね。
たとえば将来的に米ドルが上がると考え、1ドル100円で米ドルを買ったとしましょう。
このときにあらかじめ、「98円まで下がったら決済しよう」と決めておくのです。
すると仮に自分の思惑が外れてドルが急落しても、手持ちのドルは98円で決済されます。
よって損失は限定され、自分が想定していた以上に大きくなることはないのです。
これは、日常生活でも考えられる行為でしょう。
たとえば風邪をひいたとき、半日だけ仕事を休んで早めに病院に行くような感じです。
これによって風邪が悪化し、あとから数日休むハメになることを防ぎます。
以前FXトレードで最低限おさえるべき知識の1つとして、「資金管理」を挙げました。
参考:トレードに必要な知識はたった3つ!10年以上取引して分かったこと
その資金管理の第一歩となるのが、この損切りです!!
なぜ損切りは重要か
損切りはFXトレードをするうえで、最も重要なテクニックです。
継続的に利益を出しているFXトレーダーは全員、例外なくこれを使っています。
失敗トレードを早めに見切る理由は、以下の3つです!!
・破産を防ぐ
・収益チャンスに備える
・感情の乱れを防ぐ
ではそれぞれについて、以下でくわしく説明しましょう。
破産を防ぐ
FXトレードで損切りをしないのは、ガードを一切せずにプロボクサーと戦うようなものです。
どんなに素晴らしいパンチ(手法)を持っていても、ノーガードで挑めばあっさりKO負けするでしょう。
参考:リスクは絶対に避けるな!人生にも役立つFXのリスク管理方法とは?
FXトレードでは100%勝ち続けることはなく、かならず負けるときがきます。
その1回の負けで自分の資金を吹き飛ばさないために、損切りを行うのです!!
次の収益チャンスに備える
損切りをしない限り、自分の資金はその失敗トレードにつぎ込まれたままです。
そして含み損が増えればその分だけ証拠金が減り、次のFXトレードに使えるお金が減ってしまいます。
失敗を引きずったまま次の取引に使うお金もないとなれば、まさに泣きっ面にハチでしょう。
次の収益チャンスに備えて不良資産を現金化するために、損切りを行うのです!!
感情の乱れを防ぐ
含み損を抱えたままでいると、「このまま損失が拡大したら??」と不安になるのが人間の心理です。
また「損失が回復してほしい!!」と願うことは、中立な立場で相場を見ることを難しくします。
参考:FXで大失敗し大損!精神崩壊した僕がどうやって立ち直ったか?
こういった不安や願望は、適切なFXトレードのさまたげになります。
自分の感情が乱されてFXトレードに悪影響が出ないよう、損切りを行うのです!!
損切り名言集
名著と呼ばれるトレード本には必ず、損切りの重要性が書いてあります。
参考:FXデイトレードのおすすめ本12選!100冊以上の名著から厳選した
いくつか、以下に引用してみましょう。
デイトレード
損切りは負けではなく勝ちである。
損切ったトレーダーは投下資金の大半を取り戻している。
過去にそれができれば良かったと悔やむトレーダーは数多い。
生き残りのディーリング
トレーディングは綱渡りで損切りは命綱。
難しそうでいて慣れれば何とかなるが、慣れていても落ちることがある。
失敗しても死なないように、損切りという命綱を常に付けておくこと。
魔術師たちの心理学
損切りは赤信号のようなもの。
無視することもできるが、それを続ければいずれ大事故を起こす。
損切り幅の決め方
では具体的に、損切りはどのタイミングで行うべきなのでしょうか??
それはズバリ、根拠が崩れるところです!!
その意味をトレンド相場とレンジ相場に分けて、以下でくわしく説明しましょう。
トレンド相場の場合
トレンド相場の場合、「ここを突破したらトレンドが崩れる」というところで損切りをします!!
直近の安値ライン①を価格が下に抜けてきた場合、上昇トレンドが崩れます。
なぜならダウ理論によると、上昇トレンドの定義は「安値が前回の安値より切り上がっていること」だからです。
参考:FXトレンドフォロー手法の考え方!勝率を劇的に上げるやり方3つ
したがって損切りライン②は、①のちょっと下に設定します。
レンジの場合
レンジの場合、「ここを突破したらレンジが崩れる」というところで損切りをします!!
レンジの高値ライン①を価格が上に抜けた場合、レンジが崩れます。
しかもブレイクアウトとなるので大きく伸びる可能性が高く、大きな損失を抱えがちです。
参考:トレードはエントリーポイント命!最適なエントリータイミング4つ
したがって損切りライン②は、①のちょっと上に設定します。
損切りラインをズラす理由
しかしなぜ、②を①から少しズラすのでしょうか??
それは、相場には「ダマシ」というものが存在するからです!!
「ダマシ」とはラインを突破したと見せかけて、また戻ってくるような値動きのことを言います。
参考:FXダマシの見分け方!トレードでだましを見極めて回避する方法
ラインは「ガラス壁」ではなく、「ワイヤーフェンス」のようなものと心がけるべきです。
ガラスは割れると粉々になりますが、ワイヤーは多少の衝撃は曲げて元に戻ります。
値がラインを数pips越えたとしても、それでラインが突破されたとは言い切れません。
したがってラインから少し余裕を持たせたところで、損切りは行うべきなのです!!
損切りの目安pips数
では実際、どの程度だけ損切りラインをズラせば良いのでしょうか??
目安として、ラインより5~10pipsズラしたところで損切りを行いましょう!!
もちろんこのズラすpips数は、自分が使う手法によって変わってきます。
大きな値幅を取っていく手法なら、損切り幅を大きくズラしても元が取れるでしょう。
しかし10・20pipsを狙っていくような手法であれば、損切り幅を小さくしないと損益率が悪くなります。
参考:大切なのは勝率と損益率の2つだけ!FX手法の正しい検証方法は?
つまり稼げる利幅によって、損切りをどれだけズラせるかは変わるのです!!
また通貨ペアによって、ズラす幅を変える方法もあります。
仮にEURUSDを10pipsズラすとしたら、以下のように決められるでしょう。
EURUSDよりボラが低い通貨ペア
例)USDJPYなど:8pips
EURUSDよりボラが高い通貨ペア
例)GBPJPYなど:12pips
EURUSDと同じ程度のボラの通貨ペア
例)EURJPYなど:10pips
それぞれの通貨ペアのボラティリティは、下の記事を参考に算出してください。
参考:FX各通貨ペアの平均値幅は?ボラティリティの簡単な計算方法3つ
また通貨ペアによって損切り幅を変えるテクニックを、実際に僕がどう使っているか・・・
動画を使って解説しているので、理解を深めたい方はぜひご覧ください!!
初心者は逆指値注文を使え
FXトレード初心者が確実に損切りを行うなら、逆指値注文を使いましょう!!
これは、自分が「ここで損切りしたい」というレートをあらかじめ指定する注文方法です。
そのレートになれば自動で決済してくれるので、ずっとチャートを見ておく必要がありません。
「ストップ注文」や、「ストップロス注文」とも言われますね。
またこの逆指値注文を発展させた、OCO注文やIFO注文を使うのも手でしょう。
大事なことは、「損切りラインに到達したら問答無用で損切りする仕組みを作る」ということ!!
事前に損切りラインを決めていたとしても、それを守れない人はたくさんいます。
なぜなら自分の手で損失を確定する行為は、とても痛みをともなうからです。
なので逆指値注文で自動的に損切られるようにしておき、あとはなるべく相場を見ないようにします。
そうすることで感情に左右されない、適切な取引ができるのです。
僕もFXトレードを初めてまだ損切りできなかったときは、これを徹底しました。
メールで約定通知が来るまでは、絶対にチャートを開かないようにしたのです。
そうしたらだんだんと損切りに慣れ、今では普通にできるようになりましたよ。
まとめ
損切りラインは、今までのトレンドやレンジの根拠が崩れるところに置きます。
また相場には「ダマシ」があるので、損切り幅にはちょっと余裕を持たせるべきです。
目安としては、直近の安値・高値から5~10pipsズラしたところに逆指値注文を入れましょう。
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