FXトレードをしているとよく聞く、「実需筋」「投機筋」って何なのでしょうか??
今日は為替市場の参加者の種類やその割合について、FX歴10年以上の専業トレーダーがお伝えします!!
またそれぞれの特徴についても、あわせてお伝えしましょう。
為替市場の参加者の種類
為替市場は世界最大の金融市場であり、多種多様な参加者がいます。
参考:FXのトレンドフォロー手法とは?順張りの勝率を2倍にする方法
しかしその参加者を種類分けすると、大きく以下の2つに分けられるのです!!
・実需筋
・投機筋
ではそれぞれについて、以下でくわしく説明しましょう。
実需筋
実需筋とは、お金を両替するために為替市場を使う人たちです!!
輸出入企業や商社、海外旅行者などが挙げられます。
たとえばトヨタなんか、国内より海外の方が売り上げが大きいので・・・
海外で稼いだお金を本社へ持って行くのに、米ドルを日本円に換えたりします。
そのときに為替市場を使って、お金を両替するのです。
取引分類 | 内容 | |
---|---|---|
実需 | 経常取引 | 貿易取引(モノの輸出入) |
サービス取引(海外旅行、サービス取引) | ||
所得(国境を越えた雇用所得、外国株式の配当) | ||
資本取引 | 投資取引(海外への直接投資、海外証券への投資) |
参考:外国為替の実需と投機
投機筋
投機筋とは、値動きで利益を上げるために為替市場を使う人たちです!!
銀行やヘッジファンド、個人トレーダーなどが挙げられます。
彼らは実際の通貨を必要とはしていませんが、収益を生み出すために取引をします。
投機筋はよく批判的な目で見られがちですが、為替市場の安定のためには必要不可欠です。
参考:専業FXトレーダーは世の中の役に立つ?実は世界を救う職業だ!
取引分類 | 内容 | |
---|---|---|
投機 | 資金取引 | 実需以外の為替取引(為替差益を狙った取引や為替ヘッジ) |
参考:外国為替の実需と投機
実需筋と投機筋の割合
市場参加者の割合は、「実需筋:投機筋=1:9」ぐらいです!!
為替市場のビックプレイヤーは銀行や保険会社など、機関投資家となります。
外国為替市場のビッグプレーヤーたち
— ゆきひろ@トレードトラベラー (@yukihiro_fx) 2019年3月16日
✔銀行
✔生命・損害保険会社
✔投資信託運用会社
✔ヘッジファンド
✔公的年金運用機関
また急激な値動き時には「各国の中央銀行」も介入してくるhttps://t.co/ZSTpLxiES0
したがって参加者の割合としては、実需筋より投機筋の方が圧倒的に多いですね。
日銀の出来高を見ても、スワップ(投機)がスポット(実需)の10倍近くとなっています。
参考:FXで出来高を見たい!為替の取引量を調べる方法4つとは?
実需筋の特徴
まず実需筋の動きとして覚えておきたいのは、「五十日(ごとうび)」です!!
「五十日」とは、5や10のつくキリの良い日のこと。
具体的には、5日・10日・15日・20日・25日・30日が挙げられます。
実需筋の企業(特に日系企業)は、この五十日に決済を行う傾向があります。
したがって五十日の朝10時ごろは、クロス円の取引が多くなるのです。
その結果として、この時間帯ではクロス円が一方向に動きやすくなります!!
この特徴を利用したFX手法を、実際に僕は実際に使っていますよ。
参考:16回取引で+12万円(勝率63%)|週末五十日の仲値FXで利益を出す手法
ちなみに朝10時に取引が集中するのは、その時間に銀行の為替レートが決まるからです。
いわゆる、「仲値」というやつですね。
実需筋の企業は、想定外の事態が起こることをイヤがります。
「なるべく、銀行の為替レートと近い価格で取引したい」
そんな企業の不要なリスクを避けたい思いから、その時間帯に取引が集中するのです。
あと決算が行われる「年度末」の前後も、実需筋の動きでレートが動きますね!!
たとえば3月は日系の企業や金融機関が外貨を円にする動きが出るので、円高になりやすいです。
また4月は投資信託会社や生命保険会社が新たな海外投資を行うので、円安方向になったりします。
それらについてくわしくは、下の記事にまとめているので読んでください。
参考:FXトレーダー必見!各月の為替アノマリーとその確率を教える
投機筋の特徴
次に投機筋ですが、彼らに「決まった動き」というのはありません。笑
それはファンダメンタルズ・テクニカル・ビックデータ・超高速取引など、様々な取引手法を用いてくるからです。
参考:個人FXトレーダーが、超高速取引業者(HFT)に負けない理由とは?
ただ一見バラバラに見える彼らの動きも、長期的にはファンダメンタルズの示す方向に収束していきます!!
したがって、日々のニュースを追いかけておくことはとても重要です。
参考:FXのファンダメンタル情報はどこ?ニュースを見るおすすめの方法
また彼らに共通して言えることは、「金利動向に敏感」ということ!!
銀行やヘッジファンドは、他人のお金を使って取引しています。
それはつまり、「いずれ利子を付けて返さねばならない」ということです。
彼らの取り扱う資金量はとても大きいので、利子が少し違うだけでも大きく損益に関係します。
したがって彼らは、金利の動きにとても反応するのです。
僕たち個人FXトレーダーとしては、各国の10年国債利回りを見ておけば良いでしょう!!
たとえばアメリカの10年国債利回りが、他国より上がるようであれば・・・
「投機筋のお金は米ドルに流れる」と、見ることができるのです。
ちなみに、各国の債券利回りを確認するにはInvesting.comが便利ですよ!!
参考:アメリカ 10年 債券利回り - Investing.com
1分足から月足まで、幅広くチャートを変えることができますし・・・
下の方には関連ニュースも出てくるので、値動きの背景もつかむことができます。
まとめ
為替市場の参加者は大きく、「実需筋」と「投機筋」の2つに分かれます。
市場参加者の割合は、「実需筋:投機筋=1:9」ぐらいです。
実需筋の動きでおさえておきたいのは「五十日」で、投機筋の動きを把握するには「金利動向」を見ておくと良いでしょう。
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