「年金はどうせ破綻するから払いたくない」という方へ!!
国民年金を納めないと損する理由を、金融業に10年以上たずさわっている元銀行員が分かりやすく説明します。
国民年金はお得な制度
まず最初に言っておくと、国民年金はお得な制度なのでちゃんと払った方が良いです!!
国民年金は自営業・サラリーマン・公務員など、20~60歳のすべての人が平等に加入しています。
すべての年金の基礎部分になることから、別名「基礎年金」とも呼ばれていますよ。
この国民年金の掛け金は、毎月16,410円です(平成31年度)。
仮にこれを20歳から60歳まで、一度も欠かすことなく支払ったとしたら・・・
その支払い総額は、以下のようになります。
16,410円×12か月×40年=7,876,800円
ではこれを支払うと、国民年金はいくらもらえるのでしょうか??
国民年金を40年キッチリ支払ったら、もらえる年金は月額65,008円です(平成31年度)。
これを65歳から、日本人の平均寿命である84歳までもらうとすると・・・
その受け取り総額は、以下のようになります。
65,008円×12か月×19年=14,821,824円
なんと、支払った額の倍近い金額を受け取ることができるのです!!
なぜこんなに有利な条件かというと、制度を設計したときの日本が高金利だったから。
国民年金の制度が導入されたのは1985年で、日本がバブル真っ盛りのときです。
このときは金利が7~9%あったので、こんな大盤振る舞いの制度となりました。
参考:元本保証の高金利商品は怪しい?簡単に利回り9%を得る投資方法
このときはまさか、日本がゼロどころかマイナス金利におちいるなんて考えていなかったでしょうね~笑
国民年金で損はしない
「年金は破綻する」と、昔から言われていますが・・・
国民年金に限って言えば、損することはないでしょう!!
そう言い切れる理由は、以下の3つです。
1. 元々すごく有利
上で示したように、国民年金は元々ものすごく有利な制度設計になっています。
800万円弱を支払えば、将来1,500万円ぐらいになって返ってくるわけですからね。
その差額がかなり大きいので、ちょっとぐらい制度が改悪されても持ちこたえられるでしょう。
おそらく少子高齢化で年金の財源は厳しくなり、保険料は値上がることが考えられます。
もしくは年金の支給額が減ったり、支給開始の年齢が遅れたりするかもしれません。
しかしそれでも利回りがちょっと悪くなるだけで、支払った以上の年金がもらえることにはなるでしょう。
2. マイナスにできない
国民年金は政府の都合上、絶対にマイナスにできません!!
なぜならそうすると国民は大騒ぎをして、誰もお金を払わなくなるからです。
国民年金はただでさえ、納付率が6~7割と低くなっていますからね。
参考:国民年金、18年度の納付率68% 保険料の免除・猶予4割
上の計算で示したように、国民年金の制度はとても単純です。
足し算と掛け算さえできれば、だれでもその利回りを計算することができます。
政府はごまかすことができないので、税金を投入してでもプラスを死守するのです。
実際に国民年金の半分近くは、税金で支えられていますよ。
3. 保険の役割もある
国民年金はなにも、老後にお金をもらえるだけではありません!!
働けなくなったり死んでしまったときにお金がもらえる、保険のような機能もあります。
なのでたとえ年金がプラマイゼロになったとしても、その保険の分だけ有利なのです。
たとえば障害を負った場合、障害基礎年金という形でお金をもらい続けることができます。
また家族がいる状態で死ぬと、遺族基礎年金というものが残された家族にずっと支払われるのです。
これだけの保障を民間保険で備えようとすると、かなりの保険料が必要になります。
厚生年金は大損となる
しかしこの国民年金のせいで割を食っているのが、サラリーマンが強制加入される厚生年金です。
厚生年金はぶっちゃけ、大損となっています!!
なぜかというと、国民年金の穴埋めに使われているからです。
多くの人は、国民年金と厚生年金は分離して運用されていると思っています。
しかし実は同じ勘定で、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が運用しているのです。
そして厚生年金の保険料は国民年金の未納・免除者の分や、その高い利回りの補てんに使われています。
厚生年金は給料から強制的に天引きされるので、未納になる心配はありません。
なのでここから資金を流用して国民年金をプラスにし、国民年金が未払いになるのを防いでいるのです。
実際に厚生年金に加入すると、以下のように大損となることが試算されています!!
1980年生まれ(39歳):-2,190万円
1985年生まれ(34歳):-2,370万円
1990年生まれ(29歳):-2,460万円
1995年生まれ(24歳):-2,520万円
2000年生まれ(19歳):-2,520万円
厚生年金から補てんする仕組み
ではどうやって、厚生年金から国民年金へと資金を流用するのでしょうか??
それは、厚生年金の会社負担分を使うのです!!
厚生年金の保険料は、給料の18.182%(めっちゃ高い)です。
しかし給与明細を見ても、これだけ多くの金額は引かれていないでしょう。
なぜなら厚生年金は、会社と本人が半分ずつ払っているからです(労使折半)。
したがってあなたが負担する分は、半分の9.091%となります。
そしてあなたに見えていないもう半分の会社負担分を、政府は国民年金に流用しているのです!!
実際に「ねんきん定期便」には、会社負担分の支払い記録は書いてありません。
Q. 表示されている厚生年金保険の保険料には、事業主負担分も含まれているのですか。
A. お答えします
事業主負担分は含まれておりません。
「ねんきん定期便」の「これまでの保険料納付額」には、被保険者負担分の保険料(毎月の給与から控除されている厚生年金保険料)の額を表示しています。
参考:日本年金機構
ここで「まあ会社が支払った分だし、なくなっても自分は痛くない」と思った方へ。
この会社負担分は、実質的にはあなたの給料から支払われていますよ!!
なぜなら会社はその負担分がなければ、その分だけあなたの給料を上げられるわけですからね。
僕が独立した理由
僕が専業トレードとして独立した理由の1つは、この理不尽な厚生年金のルールから抜けるためです!!
この他にもサラリーマンは色々な面で、大きな不利益をこうむっています。
参考:会社員は半分タダ働き!サラリーマンを絶対辞めるべき理由とは?
また僕の周りにいるかしこい人たちも、この理不尽なルールにからいち早く抜け出していますね。
たとえば同じ会社で働くとしても、独立して「業務委託」という形で仕事にかかわっていたりします。
ちなみに、僕がお手伝いしている地元の保険会社のウェブ運用も業務委託です。
その会社の従業員ではないので、厚生年金は払っていません。
参考:FXトレードだけじゃない!僕が手掛けている仕事をちょっと紹介
そしてもちろん、国民年金はしっかりと払っていますよ。
むしろその上乗せである、iDeco(イデコ)もやっていたりします。
参考:iDeCo(イデコ)どこがいい?イオン銀行など手数料最安の5社を比較
さらに僕は、自分独自で色々と資産運用も行っていますね。
おすすめなのは、ほったらかし投資ができる「ロボアドバイザー」です。
参考:WealthNavi(ウェルスナビ)の使い方は?リスク許容度や運用プラン
これを読んだ人が年金の理不尽なルールに気づき、いち早く抜けるキッカケとなったらうれしいです!!
まとめ
国民年金は支払った保険料がほぼ倍になって返ってくる、とてもお得な制度です。
しかしその割を食っているのが厚生年金で、こちらは入っていると大損になります。
政府は厚生年金の会社負担分を利用して、国民年金の穴埋めをしているのです。
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