「積立投資をするとドルコスト平均法で利益が出やすい」と、よく言われていますよね??
しかしこれは金融機関の営業マンが都合良く使うウソだということを、金融業に10年以上たずさわっている元銀行員が分かりやすく説明します。
ドルコスト平均法とは
「ドルコスト平均法」とは、定期的に一定金額を買い付けていく投資の手法です!!
この手法を使うと、平均の購入金額を下げることができます。
と言われても、良く分かりませんよね??笑
なのでFXトレーダーらしく、米ドル円で説明してみましょう!!
たとえば、ドル円が以下のように推移したとします。
1月、1,000円を払って米ドルを買ったとしましょう。
1ドル100円だったので、手元に10ドルが入ります。
これを5月まで持っていても・・・
結局1ドル100円なので、もうけはゼロです。
しかしこれを、ひと月ごとに200円ずつ買っていったとすると・・・
1月:200円÷100円=2.00ドル
2月:200円÷120円=1.67ドル
3月:200円÷100円=2.00ドル
4月:200円÷80円=2.50ドル
5月:200円÷100円=2.00ドル
合計 10.15ドル
同じように1,000円払ったのに、0.15ドル増えました!!
したがって5月時点で、15円の利益が出ます。
(0.15ドル×100円=15円)
このように毎月決まった金額で買っていくと・・・
価格が高いときは少し、価格が安いときは多く購入することができます。
1ドル120円と高いときは、1.67ドルしか買えていませんが・・・
1ドル80円と安いときは、2.50ドルも買えていますよね??
このように値段が高いときにちょっとしか買わず、値段が安いときにたくさん買うと・・・
取得価格の平均を引き下げることになるのです!!
実際に上の例では1,000円で10.05ドル買えたので、平均購入価格は1ドル98.52円とちょっと有利になっています。
「文章じゃちょっと分かりづらい」という方は、下の動画が分かりやすいので見てください。
営業員がすすめる理由
「ドルコスト平均法を使えば、平均の購入価格が安くなって利益が出やすい」
「だから毎月一定額を買い付けていく積立投資は、とてもおすすめですよ」
そう言って、よく銀行や証券会社の人は金融商品の定期購入を押してきます。
僕も銀行員だったときは、「投資信託の積立投資を強く推進しましょう」なんて号令が本社から一斉に回ってきて・・・
この「ドルコスト平均法」の話なんかを、よくお客さまにしていました。笑
金融機関の営業員がなんで積立投資をすすめてくるかというと、「彼らが継続的にもうけるため」です!!
「ドルコスト平均法や積立投資は良いものだ」と、お客さまを納得させることができれば・・・
その方は継続的に、金融商品を買ってくれるようになります。
すると金融機関には、中長期的に手数料が入ってくるようになるのです。
また積立投資は少額からでき、しかもドルコスト平均法によって利益が出やすいような錯覚を覚えます。
なので投資未経験者を金融市場へと引きこむ、絶好のセールストークになるのです!!
しかし上で説明したドルコスト平均法、実は大きな落とし穴があります。
ドルコスト平均法のデメリット
ドルコスト平均法が有益にはたらくのは、限られた相場環境でのみです。
たとえば、以下のような場合が挙げられます。
レンジ(最終的に下げ)
1月に1,200円で一発買い
→6月時点で400円の損失
各月200円ずつ買い増し
→6月時点で199円の損失
ダウントレンド
1月に1,200円で一発買い
→6月時点で400円の損失
各月200円ずつ買い増し
→6月時点で223円の損失
しかし以下のような場合は、逆に不利となります。
レンジ(最終的に上げ)
1月に1,200円で一発買い
→6月時点で600円の利益
各月200円ずつ買い増し
→6月時点で301円の利益
アップトレンド
1月に1,200円で一発買い
→6月時点で600円の利益
各月200円ずつ買い増し
→6月時点で265円の利益
ドルコスト平均法を使うと損失を小さくできますが、逆に利益も小さくなります!!
大負けや大勝ちをしないというだけで、別に利益が出やすいわけではありません。
一発買いでも積立投資でも、利益の出る可能性に変わりはないのです。
しかしドルコスト平均法には、デメリットが1つだけあります。
それは、手数料が余分にかかるということ!!
一発買いの場合、売買手数料がかかってくるのは1回だけですが・・・
積立投資の場合は、毎月購入するたびに売買手数料がかかってしまいます。
したがって手数料がかさむ分だけお客さまは損をし、金融機関はもうかるという仕組みです。笑
僕が積立投資をする理由
しかし僕は現在、ウェルスナビというサービスを使って積立投資をしています。
参考:WealthNavi(ウェルスナビ)の使い方は?リスク許容度や運用プラン
「えっ、さっき不利だって言ったばっかりじゃん」とツッコまれそうですが・・・
僕が投資で利用しているウェルスナビなら、不利にならないんですよ。
なぜなら、売買手数料がかからないからです!!
ウェルスナビの手数料は、年1.0%という管理手数料だけです。
入金積立手数料・為替手数料・売買委託手数料など・・・
積み立てをするたびにかかってくるような手数料はありません!!
参考:ウェルスナビ
僕は積み立てに手数料がかからないのであれば、ドルコスト平均法のコンセプトには大賛成です。
なぜなら上でも述べた通り、「大負けや大勝ちをしない方法」だから!!
投資って、大勝ちを狙ってやるものではないと思うんですよね~
長い年月をかけて、ゆっくりでも着実に増えてくれればそれで良いです。
ドルコスト平均法を使えば高値づかみをすることはなく、相場の予想をする必要もありません。
精神的に安定するし、ほったらかし運用ができるという点で優れています。
参考:複利運用とは?そのメリットや簡単なやり方をわかりやすく紹介
金融セールスマンの営業トークをうのみにして、お金を預けるのではなく・・・
ウェルスナビなど売買手数料のかからないサービスをうまく利用して、積立投資していきたいですね!!
まとめ
ドルコスト平均法で利益が出やすくなるというのは、金融セールスマンのウソです!!
大勝ちや大負けをしないというだけで、売買手数料分は損をしてしまうデメリットがあります。
しかし売買手数料がかからないのであれば、相場に一喜一憂しなくて済むという点でドルコスト平均法は有効です。
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