アメリカが戦争したら為替はどうなる?過去のドル円の動きまとめ


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戦争や大規模テロが起こったとき、どうやってFXトレードをしたら良いのでしょうか??

今日は有事のときに為替(アメリカドル円)がどう動いたのか、FX歴10年以上の専業トレーダーがお伝えします!!

 

 

有事のドル買い

 

戦争は最悪です。

領土は焼かれ、食べ物は無くなり、文化は破壊され、人が死にます。

したがって相場への影響も大きく、値が激しく動く要因となるのです。

 

有事のとき、金融市場で買われるものはいくつかあります。

通貨では、「アメリカドル」「日本円」「スイスフラン」など。

また安全資産として、「金(ゴールド)」も人気になりますね。

 

この中でも、やはり王道は「米ドル」でしょう!!

 

世界最大の国の通貨で、世界で最も流通量が多く、貿易の基軸通貨となっている・・・

そういった理由から、戦争やテロなどが起こると米ドルが買われる傾向にあります。

 

しかし、それは本当のことなのでしょうか??

過去の戦争を振り返って、実際に米ドル円がどう動いたのかを見ていくことにします。

 

なぜ米ドル円で検証か

 

実を言うと、「米ドル円」は検証する通貨ペアとしてあまり良くありません!!

なぜなら日本円も安全通貨とされており、有事のときには買われる傾向にあるからです。

 

本来であれば安全通貨同士の組み合わせではなく、しかも世界で1番取引されている「ユーロドル」で検証すべきでしょう。 

しかしユーロは1999年に誕生した、比較的まだ新しい通貨です。

したがって過去に起きた有事の検証としては、データが足りないんですよね~

 

なので2番目に取引量が多く、それなりに歴史もある「米ドル円」で調べていくことにします!!

 

通貨ペア 月間取引量 取引シェア
EUR/USD 1兆1170億ドル 23.05%
USD/JPY 9020億ドル 17.72%
GBP/USD 4700億ドル 9.24%
AUD/USD 2660億ドル 5.24%
USD/CAD 2180億ドル 4.29%

参考:FX主要通貨ペアの取引量ランキング!稼げる通貨ペアの選び方は?

 

ちなみに為替チャートは、為替ラボのものを利用させてもらいました。

ここのサイトでは、ドル円のチャートを1971年までさかのぼってみることができますよ。

 

全期間・10年・1年・1ヶ月などで様々な区切りで、ドル円の推移を確認できます。

したがって、FXトレードの過去検証や研究に便利です!!

参考:初心者必見!バックテストのやり方と検証結果から手法を作る方法

 

イラク戦争時の米ドル円

 

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2003年、「イラクは大量破壊兵器を持っている」とアメリカは断定しました。

そしてイギリスとともにイラクへ攻撃を開始したのが、イラク戦争の始まりです。

 

攻撃が始まった直後(2003/03/20)、ドル円は一時的にドル高となりました!!

しかしその後はドル安方面へ、ズルズルと落ちています。

 

実はこのとき、アメリカがイラクへ侵攻することを相場はすでに織り込んでいました。

攻撃が始まるまでに米ドル円が、ジワジワと上げていっていますよね??

そして開戦後は、それまで買われていた米ドルが続々と売られたのです。

 

まさに「うわさで買って事実で売る」という、相場格言の通りになりました。

 

アフガニスタン戦争時の米ドル円

 

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2001年にアメリカで、9.11同時多発テロが起こりました。

その首謀者オサマ・ビンラディンをかくまっているとし、アメリカがアフガニスタンを攻撃したのがアフガニスタン戦争の始まりです。

 

攻撃が始まった直後(2001/10/08)、米ドル円に大きな動きは見られませんでした!!

しかしそれから、ドル高がゆっくりと進んでいっています。

 

これは有事のドル買いというより、その前に起こった異常なドル安の調整という面が大きいです。

 

前月の9月、ニューヨークの世界貿易センタービルに飛行機が衝突するという前代未聞の出来事が起こりました。

アメリカ本土が攻撃を受けたということで、そのとき120円台だったドル円が115円まで急落!!

それが「アフガニスタン攻撃」という解決に向かったことで、パニック的なドル売りが是正されていったのですね。

 

湾岸戦争時の米ドル円

 

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1990年イラクがクウェートに侵入し、そこを占領してしまいました。

国連の撤退呼び掛けに応じなかったため、アメリカを中心とする多国籍軍がイラクを攻撃したのが湾岸戦争の始まりです。

 

開戦直後(1991/01/17)、米ドル円は1円上げた後に大きく下がりました!!

そしてそこからは、横ばいの値動きとなっています。

 

これも上のイラク戦争時と同じく、「うわさで買って事実で売る」という動きです。

 

1990年にイラクがクウェートに侵攻した「湾岸危機」は、突然の出来事でした。

したがってこのときは、大きく米ドルが買われています。

 

しかしそれが「湾岸戦争」へとつながっていくことは、けっこう予想されていたのです。

したがって開戦前から、米ドル円はすでに上がってきていました。

そして「開戦」という事実によってピークを迎え、そこからガツンと売られたのです。

 

必ずしも有事のドル買いではない

 

直近3つの戦争から、以下のような結論が導かれます!!

 

・基本的に有事のときは、米ドルが買われる

・ただし戦争が予想されるとそれまでに米ドルは買われ、開戦時に売られる

・アメリカが攻撃されたときは、有事であっても米ドルが売られる

 

つまり、必ずしも「有事のドル買い」ではないということです!!

戦争に至るまでの背景や戦闘の状況などによって、為替の動き方は変わります。

まあ、考えてみれば当たり前ですね。笑

 

近代戦争は短期

 

ちなみに現代の戦争は、短期決戦となっています!!

お互い激しくドンパチする期間は、1年もありません。

例を挙げると、以下の通りです。

 

・イラク戦争

2003/03/20~2003/05/02(約2か月)

 

・アフガニスタン戦争

2001/10/08~2001/11/13(約1か月)

 

・湾岸戦争

1991/01/17~1991/04/06(約3か月)

 

これに対して昔の戦争は、数年単位で行うことが普通でした。

 

・イランイラク戦争

1980/09/22~1988/08/23(約8年)

 

・ベトナム戦争

1960/12/20~1975/04/30(約15年)

 

・朝鮮戦争

1950/06/25~1953/07/27(約3年)

 

これは何を意味するかというと、「相場の価格変動は激しくなるが長くは続かない」ということです!!

短期で目まぐるしく情勢が変わるので、ボラティリティは高まりますが・・・

それが長く続くことはなく、戦争の早期終了とともにまたすぐに落ち着きます。

 

したがって有事のときはムリに相場へ手を出さず、落ち着くまで待つのが一番良い戦略だと僕は思いますよ。

 

参考図書

 

 

今回の記事は、上記の本を参考にしました。

 

「FXストラテジスト」として20年あまりのキャリアを誇る、アンドリュー・ブッシュ氏が著者です。

この本では、大きな災害・事件・事故・政変が起こった後のマーケットで勝つためのノウハウが公開されています。

 

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