「FXトレードでナンピンを使うのってどうなんだろう??」と疑問に思っている方へ。
トレードでナンピン手法を使うと破産する可能性が高い理由を、FX歴10年以上の専業トレーダーがお伝えします!!
またどういう形ならナンピンが有効に使えるかについても、あわせて解説しましょう。
- 動画での解説はこちら
- ナンピンとは
- なぜナンピンと言うか
- なぜナンピンはダメか
- 特にFXでナンピンはダメ
- なぜナンピンするのか
- 計画的なナンピンはアリ
- 営業マンはナンピン好き
- まとめ
- FXでよく読まれている記事3つ
動画での解説はこちら
ナンピンとは
ナンピン(難平)とは、損が出ているポジションをさらに買い(売り)増すことです!!
相場が自分の思惑と反対へ動いているときにポジションを追加することで、平均取得価格を有利にします。
そうすることで、利益もしくはプラマイゼロで逃げやすくなるという理屈です。
たとえばドル円が上がると考えて、1ドル100円で米ドルを買ったとしましょう。
しかしその予想が外れて、価格が1ドル90円まで下がったとします。
このとき、さらにドル円を90円で買い増しするのです(ナンピン買い)!!
そうすれば、買いの平均価格は間の95円になります。
その後は100円まで値が戻さなくても、95円まで戻ってくれば収支トントンになるというわけです。
なぜナンピンと言うか
ナンピンはカタカナで表記されることが多いですが、漢字では「難平」と書きます。
文字通り「難(損失)を平らにならす」というのが、「ナンピン」という名前の由来です!!
この言葉の歴史は古く、江戸時代にはすでに米商人の間で使われていました。
ちなみに当時、世界に先駆けて米の先物取引が大阪では行われていたんですよ~
なぜナンピンはダメか
上記の通り、ナンピンは江戸時代から取引に使われてきました。
そしてそのときからすでに、ナンピンは最低の手法だと知られていたのです!!
実際に「難平」という言葉には、「おろか者」という意味もあります。
なん‐ぴん【難▽平】
《「ぴん(平)」は唐音で、ならす意》
1 取引で、損失を平均化すること。買ったあとに相場が下落しても買い増して買値の平均を下げておき、逆に売ったあとに相場が騰貴したら売り増して売値の平均を上げておくことによって、損失を回復しようとすること。「難平買い」
2《見通しもなく1をして大損をする意から》愚かなこと。また、その人。「我が身知らずの―なり」
ではなぜ、ナンピン手法はダメなのでしょう??
それは、破産(強制ロスカット)になる確率が飛躍的に高まるから!!
ナンピンを続けていくと、負けを認めることが難しくなります。
ポジションをドンドンと追加していくうちに、以下のような心境になるのです。
「これだけの資金を投入したのだから、後戻りはできない」
「こうなったらもう、このポジションと運命を共にしよう」
その結果として損切りが遅れ、大きく負けてしまいます。
場合によっては強制ロスカットで資金を飛ばし、破産してしまうのです!!
特にFXでナンピンはダメ
特にFXトレードでは、ナンピン手法を使わない方が良いです。
なぜならレバレッジ(借金)が効き、自分の資金量を超えてナンピンを繰り返せるから!!
失敗したときのダメージがデカくなり、ヘタするとマイナス(追証)を食らいますよ。
自分の思惑が外れて負けている時点で、そのFXトレードは良い取引ではありません。
まして投げるべきところで純良な資金を追加することは、絶対に避けるべきことでしょう。
FXトレードで大事なことは、いさぎよく負けを認めて損切りすること!!
じゃないと最終的に、バッドエンドで終了してしまいますよ~
参考:FXで大失敗し大損!精神崩壊した僕がどうやって立ち直ったか?
なぜナンピンするのか
ではなぜ、そんな最低の手法をみんな好んで使うのでしょうか??
それはほとんどの場合において、ナンピン手法は成功するから!!
何度もナンピンをすれば、それだけ平均取得価格は現在価格に近くなります。
したがってわずかな戻しでも、評価損から脱出できるようになるのです。
極端な話、ナンピンを無限に繰り返せば勝率をほぼ100%にできます。
「損を出したくない」という人にとって、実に使い心地の良い手法なのです。
しかし使い心地が良いということは、他の人も良く使っているということ!!
FXトレードでは9割の負け組と逆のことをやった方が、利益を出せる確率が高いですよ。
参考:FXをビジネスと考えろ!そしたら簡単にトレード成功者になれる
計画的なナンピンはアリ
ただしここで、誤解してほしくないことがあります。
それは、ナンピン自体は使い方によっては有効だということ!!
上で説明した通り、ナンピンがダメなのは心理面における負の影響がデカいというところです。
ナンピンという手法それ自体に、大きな欠陥があるわけではありません。
なのでたとえば、訓練を受けた上級FXトレーダーが戦略の1つとしてナンピンを使うことや・・・
計画的にナンピンを行い、ダメなときは自動で損切りをしてくれる機械取引なら良いでしょう。
実際にナンピンを積極的に行って利益を積み上げる、「リピート系注文」という自動売買がFXにはありますよ!!
参考:計300万円投入!トラリピ・トライオートFXなどリピート系を比較
こういったものなら、そもそも自分で取引しないので心理面の悪影響とか関係ありません。
まあ、「含み損が大きくなっていくのに耐えられない」という人はダメですが。笑
営業マンはナンピン好き
最後に、話はちょっとそれますが・・・
証券会社や銀行で金融商品を売る営業マンは、このナンピンが大好きです!!
実際に僕が銀行で働いていたとき、多くの同僚がお客さんにこのナンピンをすすめていました。
僕が入行した年(2008年)はリーマンショックで、投資信託や外貨預金などすべてがダダ下がりしていたので・・・
営業の方針として、「解約させない」「ナンピンさせる」ことが奨励されていたのです。
なぜ営業マンがお客さんにナンピンをすすめるかと言うと、以下3つの理由があります。
1. 損切りさせるとお客さんが離れる
損切りをさせると、「この人は私に損をさせた」という印象が残ってしまいます。
また取引もなくなってしまうので、お客さんが離れてしまう可能性が高いのです。
2. お客さんと成功体験を共有する
上記の通り、ナンピンはほとんどの場合で成功します。
「この人のアドバイスでうまくいった」となれば、その後も長い付き合いが期待できるのです。
3. 他の金融機関からお金を奪える
お金持ちは、複数の金融機関にお金を分散している場合がほとんどです。
ナンピンの資金を他の金融機関から調達させることで、そのお客さんのお金をすべて握ることができます。
まとめ
ナンピン(難平)とは、損が出ているポジションをさらに買い(売り)増すことです。
しかしFXトレードでは破産する確率が飛躍的に高まるので、おすすめできません。
ナンピンを使うのであれば、計画的かつ心理に悪影響が出ない形で行いましょう。
FXでよく読まれている記事3つ