「FXトレードの損切りをいくらですべきか」と迷っている方へ。
許容損失額の計算方法について、FX歴10年以上の専業トレーダーがお伝えします!!
また許容損失額を超えたときの対処方法についても、あわせてお伝えしましょう。
- 損切りはいくらですべきか
- 自分の心にも聞いてみる
- 連敗は避けられない
- 半分になったお金を戻すには
- 1日・1か月単位でも考える
- 許容損失額は手法で変わる
- 強制ストップになったら
- まとめ
- FXでよく読まれている記事3つ
損切りはいくらですべきか
前回FXリスク管理の第一歩として、損切りの重要性について書きました。
参考:FXで損切りできない方へ!ロスカットルールを守る秘策3つとは?
この損切りが完璧にできるようになったら、次のステップです。
1回の損切りで、いくらまで損失を許すのか(許容損失額)を決めましょう。
僕はトレード資金の2%を、1トレードの許容損失額としています!!
仮にトレード資金が300万円としたら、「300万円×2%=6万円」が最大の損切り額です。
僕が自分の許容損失額を「総資産の2%」としているのには、ちゃんと理由があります。
それは色々なプロトレーダーや有名トレード本が、この「2%」という数字をすすめているから!!
有名どころではアレキサンダー・エルダー氏が「投資苑2」という本で、この2%ルールをくわしく解説しています。
どんなトレードの場合でも、損失を口座資金の2%に限定すること。
ヘタな初心者はこの数字は低すぎると言います。
しかしプロは逆に2%は高すぎると言うのが通常で、もっとリスクを低くしようとします。
また伝説のトレーダーであるラリー・ウィリアムズも「ラリー・ウィリアムズの短期売買法」という本で、2%以下のリスクでトレードしてきたことを書いています。
一回のトレードのリスクがわずか2%であっても、巨額の利益を得ることができる。
私はそれで年率400%を出し、4年で口座を11倍にした。
2%だと口座の減少率が低いだけでなく、増加率も高い。
したがって「2%」という数字を、まずは基準にしましょう!!
自分の心にも聞いてみる
上記の「2%ルール」を念頭に置いた上で・・・
次に、自分が損切りするのにためらいそうな金額を考えます!!
先ほどの「2%ルール」で、トレード資金が300万円なら1トレードの許容損失額は6万円と決まりました。
しかし自分の経験上、4万円以上の損切りをするときは指がふるえて冷静でいられないなら・・・
許容損失額を、6万円から4万円へと引き下げるのです。
いくら理屈で「2%」なら安全と分かっていても、自分の心がそれを許容してくれるかは別問題です。
許容損失額を決めるときは、自分の心とも相談しましょう。
そうすれば、自分の精神状態が乱れることから発生するリスクも管理できます。
連敗は避けられない
なぜこういった、1トレードの許容損失額を決めるのでしょうか??
それはいくら勝率が高い手法を使っていても、FXトレードでは連敗が避けられないからです!!
たとえば勝率70%と、めちゃくちゃ高い場合でも・・・
計算してみると、3%弱の確率で「3回連続負け」が発生します。
30% × 30% × 30% ≒ 3%
ではこの3%の確率とは、具体的にどれぐらいの割合で起こるのでしょうか??
これは1日に3回FXトレードする場合、1か月に1回は3回連続負けに合う計算になります。
30日(1か月) × 3% ≒ 1日
勝率7割というスゴイ手法でも、月1で3回連続負けにあうのです!!
そしてその連続負けによって、資産のほとんどを失ってしまったら・・・
その資産を元に戻すことは、ほぼ不可能になります。
半分になったお金を戻すには
一度失ったお金を取り戻すのが、どれだけ難しいことか??
それを実感することができる、おもしろい問題があります。
仮にあなたが、FXトレードで全財産の半分を失ったとして・・・
元の金額へ戻すには、どれぐらいの利回りが必要だと思いますか??
半分(50%)なくしたのだから、利回りも50%??
いいえ、違います。
答えはなんと、100%です!!
たとえば、100万円を50万円にしてしまったとしましょう。
50万円 × 利回り100%で、やっと50万円を取り戻せます。
つまり半分にした資金を元に戻すには、失った時の倍のエネルギーが必要となるのです!!
こういった状況にならないよう、「1回の損切りでこれ以上の損失は出さない」という金額をあらかじめ決めておきます。
そしてそれを忠実に守ることにより、数回の負けで資産の大半を失うという事態を避けるのです。
損失を元に戻すために、利回りがいくら必要かを表した図
— ゆきひろ@トレードトラベラー (@yukihiro_fx) October 10, 2019
-20% → +25%
-50% → +100%
-90% → +900%
損失がデカくなるほど、元に戻すには大きな利回りが必要となる
50%失ったら2倍の100%が必要だし、90%失ったら10倍の900%!
だから損が小さいうちに損切りするのが重要なんだな〜 pic.twitter.com/0LDeXipqLE
1日・1か月単位でも考える
ここまで読んだあなたは、自分に最適な1トレードの許容損失額を決められたはずです。
そうしたら今度は、1日・1か月の許容損失額も決めておきましょう!!
ちなみに僕は、以下のようなルールを設定しています。
これらの許容損失額を超えたら、僕は問答無用でFXトレードをストップするのです。
・1トレードの許容損失額
→トレードに使っている総資金の2%
・1日の許容損失額
→トレードに使っている総資金の4%
・1か月の許容損失額
→トレードに使っている総資金の10%
1日の許容損失額4%というのは、2回連続で損切りを出したらその水準に達してしまいます。
(1トレードあたり2%の損失なので)
つまり2回連続で損切りを出したら、その日はもうFXトレードしないということです。
優位性のある手法を使っているにも関わらず、連続で損切りとなるとき・・・
相場は、難しい局面に入っている可能性が高いです。
また損切りが重なったことで「何とか損を取り戻したい」という欲が、冷静な判断をジャマしてくるかもしれません。
したがってこういうときは、一旦FXトレードから離れることが最善です。
1日・1か月の許容損失額ルールは、その決断をする手助けをしてくれます。
ちなみに僕はこの考え方を、FX自動売買にも当てはめていますよ!!
参考:弱点のないFX自動売買ツール?おすすめされたので100万円で検証
許容損失額は手法で変わる
この1日・1か月の許容損失額をいくらにするかは、「何%が良い」といった明確なルールはありません。
この数字は、あなたの手法によって変わります!!
たとえばスキャルピングで1日100回以上取引する人にとって、たった2回の損切りでFXトレードを止めるのはツラいでしょう。
また損小利大狙いで勝率が低い手法を使っている人も、2回の損切りでやめてしまうのは妥当ではないかもしれません。
自分の手法のトレード数や勝率を考えながら、1日・1か月の許容損失額を決めてください。
よく分からない人は上で述べたように、「自分の心の許容損失額」をもとに決めると良いです。
強制ストップになったら
許容損失額に達してFXトレードが強制ストップとなった場合、僕は外に出かけます。
景色のキレイなところや自分の知らない土地を歩くことで、気分をリフレッシュさせるのです!!
そうすることで、強制ストップになったときのイヤな気持ちをおさえるようにしています。
そう考えると、「トレード」と「旅」ってけっこう相性が良いのですよ。笑
僕がトレトラ(トレードトラベラー)を続けている理由の1つです!!
まとめ
FXトレードで連敗する可能性は意外と高いので、連敗しても資金を守れるようリスク管理が必要です。
そのために1トレードの損切り額は、口座資金の2%で計算しましょう。
また1日・1か月の許容損失額も、あわせて事前に決めておくと良いです。
FXでよく読まれている記事3つ