「FXトレードを検証するとき、具体的に何を見れば良いの??」と疑問に思っている方へ。
見るべき数字は「勝率」と「損益率」だけである理由を、FX歴10年以上の専業トレーダーがお伝えします。
またこれらの数字から具体的にどうやって検証するのかも、あわせて解説しましょう。
- 勝率と損益率が大事
- 勝率と損益率のバランス
- どうバランス調整するか
- 特に損切りが大事
- すぐにルール変更しない
- 1か月は改善を待つ
- 腰をすえて取り組む
- 僕の過去の経験談
- まとめ
- FXでよく読まれている記事
勝率と損益率が大事
検証作業では、「勝率」と「損益率」の2つの数字を見ます!!
まず「勝率」とは、勝ちトレードで終わる確率のことです。
(勝率 = 勝ちトレード数 ÷ 総トレード数)
10回取引して6勝4敗であれば、勝率は60%となります。
次に「損益率」とは、利益幅と損失幅の比率のことです。
(損益率 = 利益幅 ÷ 損失幅)
いつも損切り10pips・利食い20pipsであれば、損益率は2となります。
損切り幅と利食い幅が、取引ごとに違う場合は・・・
それらの平均を出して、損益率を計算しましょう。
ちなみに損益率は、以下のようにも呼ばれますよ。
・利益率
・リスクリワードレシオ
・ペイオフレシオ
勝率と損益率のバランス
良いFXトレードをしているかは、この2つの数字のバランスで決まります!!
たとえ勝率が90%でも1回の負けが大きい(損益率が0.1以下)と、お金は残りません。
いわゆる、「コツコツドカン」というやつですね。笑
ではこの2つの数字のバランスが良いと判断するには、どうしたら良いのでしょう??
そのために、以下の表を活用してください。
勝率 | 損益率 |
20% | 8.0 |
30% | 4.7 |
40% | 3.0 |
50% | 2.0 |
60% | 1.3 |
70% | 0.8 |
80% | 0.5 |
この数字の組み合わせが利益を出すのに現実的で、かつ破産する可能性が低いです!!
たとえば勝率が50%なら、利食い幅は損切り幅の2倍なければいけませんし・・・
利食いと損切りの幅を一緒にしたければ、勝率は65%前後ないといけないのです。
この表の数字は、「バルサラの破産確率表」というものを参考に算出しました。
参考:バルサラの破産確率でトレード技術を飛躍的にアップさせる方法
ちなみに下の記事で紹介している僕のトレード手法は、勝率65%で損益率1ぐらい。
なので、ちゃんと上の表に合った数字となっています。
この表の数字に近くなるよう、自分の手法を改善していくのが正しいやり方です!!
仮に、自分の手法の勝率が50%であれば・・・
損益率が2.0以上となるよう、手法のルールを変更しなければいけません。
最初は、このバランス調整が難しいでしょう。
しかしやっていくうちに、自分の手法がどこでバランスを取れるか分かってきます。
根気よく、自分の手法のスイートスポットを探し当ててください!!
どうバランス調整するか
では、勝率と損益率のバランスを調整するため・・・
トレード手法の何を、具体的に変えたら良いのでしょうか??
それは、以下8つのいずれかです!!
1. セットアップ
例)相場環境を判断する方法を変えてみる
参考:相場環境認識のコツ!トレードで見るべきたった2つのものとは?
2. エントリー
例)エントリーのルールを変えてみる
参考:トレードはエントリーポイント命!最適なエントリータイミング4つ
3. 損切り
例)損切りのルールを変えてみる
参考: FXトレードで良い損切りの仕方は?ロスカットのやり方10つ
4. 利食い
例)利食いのルールを変えてみる
参考:利確(利益確定)タイミングが分からない?FXの利食い方法ベスト10
5. 時間帯
例)トレードを行う時間帯を変えてみる
参考:FXでトレンドが出る取引時間は?トレードにおすすめの時間帯3つ
6. 通貨ペア
例)取引する通貨ペアを変えてみる
参考:取引量ランキングを掲載!FXで稼ぎやすい通貨ペアの選び方は?
7. インジケーター
例)使用するインジケーターを変えてみる
参考:これが最も簡単!FXトレンド転換の判断に使えるインジケーター
8. チャート
例)ラインの引き方などを変えてみる
参考:FXのリアルタイムオーダーとは?オーダー状況の調べ方や見方
これら8つに着目して、改善点を見つけるようにしましょう!!
したがって、デモトレードをする際には・・・
これらが後で分かるように、取引結果を記録しなければいけません。
参考:FX売買記録の書き方!トレードノートに残すべき10の項目とは?
特に損切りが大事
上記8つの中では、特に「3. 損切り」が重要です!!
損切りをどこで行うかで、その手法の結果は大きく変わってきます。
以前に紹介した「ラリー・ウィリアムズの短期売買法」という本には、以下のように書いてありますよ。
参考:FXデイトレードのおすすめ本12選!100冊以上の書籍から厳選した
損切り注文の位置を変えるだけで、負けるシステムが勝つシステムになる
したがって上記8つのうち、どこから手を付けたら良いか分からないという人は・・・
とりあえず損切り方法を色々と変えてみて、結果がどう変わるかを確認しましょう。
また手法を改良するときは、ルールを「削る」または「変える」ことから考えるべきです!!
新たなルールを次々に加えていくと複雑な手法となって、良い手法ではなくなる可能性が高くなります。
参考:トレードルールや手法はシンプルに!専業トレーダーになった時の失敗談
すぐにルール変更しない
ただ自分のトレード手法を改良する前に、気を付けなければいけないことがあります。
それは、すぐにトレードルールを変更しないということ!!
FXトレーダーたちはより多くのお金を安定的に稼ぐため、いつも手法の改善に一生懸命です。
そんな彼らの頭の中ではいつも、以下のようなヒラメキが起こっています。
「利食いの条件をこうした方が、利益は伸びるんじゃないのか??」
「このエントリーはこうした方が、勝率が上がるんじゃないの??」
これは、僕も例外ではありません。
毎日相場とにらめっこして、「あーでもない」「こーでもない」と考えているのです。
改善アイデアの1つや2つぐらい、すぐに思いつきます。
(そのアイデアが使えるか使えないかは、別として・・・)
こういったアイデアは、FXトレーダーとしてレベルアップするのに欠かせないものです。
しかしこれらをどう扱うかによって、それは毒にもなります!!
負けトレーダーはこういったアイデアを、すぐさま自分の手法に反映させがちです。
以下のように数回取引したら、すぐに手法をいじくりまわしてしまいます。
2~3回トレード
↓
手法を改善
↓
2~3回トレード
↓
手法を改善・・・
これはもはや、手法の改善でも何でもありません。
ただの「トレードルール破り」です!!
こんなことするぐらいなら、改善アイデアを出さない方がまだマシでしょう。笑
1か月は改善を待つ
僕は新しい改善アイデアを思いついたら、まず検証します。
検証ソフトで何十回とデモトレードをしてみて、それが本当に有効か調べるのです!!
参考:初心者必見!バックテストのやり方と検証結果から手法を作る方法
その結果、その改善アイデアが使えそうだと分かったとしましょう。
それでも僕は、それをすぐさま手法に組み込むことはしません。
月が終わるまでは我慢し、次の月初にようやくトレードルールを変更します。
そして少なくとも1か月間はそのルールで取引し、本当に結果が改善されるかを見るのです!!
上記の「ラリー・ウィリアムズの短期売買法」という本には、以下のような言葉も載っています。
自分の作ったルールに従う気がないのなら、なぜルールを作る必要があるのか。
そんな時間があるのなら、他のことをやったほうが良い。
めちゃくちゃ努力して相場を研究し、より良い手法を導き出せたとしましょう。
しかしそれを数回のトレードで変えてしまうのなら、その努力はまったくの無意味です。
より良いトレード方法を思い付いても、とりあえず1か月は待ちましょう!!
腰をすえて取り組む
最後に、FXトレード手法の検証作業で心にとどめておいてほしいことを書きます。
それは、「手法を簡単にあきらめたらダメ」ということ!!
検証結果が自分の思惑通りにいかなかったとき、その手法を切り捨てて新たな手法を探し始める人が多いです。
それはうまくいかなかった手法をチマチマ改善するより、新しい手法を試した方が手っ取り早いからでしょう。
しかし残念ながら・・・
「手法の検証結果が悪い → 新たな手法を探す」の繰り返しでは、いつまでも利益を出せるようにはなれません!!
理屈としては「あれがダメ」「これがダメ」と転職を繰り返す人が、仕事のスキルを身に付けられないのと一緒です。
やっぱりある程度は腰をすえて取り組まないと、自分のトレード技術や手法に対する理解は深まらないのです。
参考:FX手法は確率と統計で考えろ!君がすでに1億円を持っている理由
もちろん検証結果が極端に悪いときは、手法に欠陥があるとみなして乗り換えても良いでしょう。
ただ「検証結果がプラマイゼロ」とか、「デモでは良かったのに実践では使えなかった」などという場合・・・
手法を改善することで、結果が変わる可能性が高いです。
なので簡単にあきらめず、とことんその手法を追求してみてください!!
僕の過去の経験談
僕がこう言うのは、「昔の自分」がまさにそうだったからです!!
僕は以前、トレンドラインを主とした手法を開発していました。
半年間黙々と検証と練習を重ね、デモトレードである程度利益を出せるところまでいったのです。
しかしいざ実際の相場でそれを使ってみると、月の収支がプラスにならず。笑
そんな状態が4か月も続き、僕は以下のどちらを選択すべきか迷いました。
・利益を出せるようになるまでねばる
・新たな手法に切り替えて再出発する
結局自分では答えが出せず、FXトレードの先生に相談したところ・・・
その先生から、以下のように言われたのです。
トレンド局面にしぼってFXトレードしたり、水平ラインを加えてみたら??
「結果がダメだったから捨てる」みたいな、マルかバツかの発想だと進歩は難しいよ。
今までやってきたことに新たなアイデアを加えて、「それを昇華させていく」って姿勢じゃなきゃね。
これらの言葉にハッとし、たどり着いたのが今の僕の手法です。
「水平ラインを加える」という簡単なことで、利益を出せる手法へと変えることができました!!
まとめ
FXトレードの検証作業では、「勝率」と「損益率」の2つの数字を見ます。
そのバランス調整のために、上記8つのポイントから手法の改善を試みてください。
手法の改善作業は簡単にあきらめず、ねばり強く対応していきましょう!!
FXでよく読まれている記事